私の自画像はピントが合わず、ぼやけている。それが美しいのか、醜いのかを確かめてみたい。
私は自分がここに居ることを主張している。そしてその声がどこからかはね返ってくる音を聞いている。耳があらゆるものにゆらされ、そして何も残らない。
私は欲しい、だれかに嫉妬されるほどの大きな力が。かっこつけて、何度も何度も心変わりをして、何度も何度もめくれてもうつかれたし、あきらめたいし、知らんぷりしたいけど。
私は欲しい。きれいな物をきれいだと伝えられる力が、好きな物を好きだと言える強さが、愛していると伝えられる勇気が、愛されていると感じられる気持ちが。
一瞬の苦しみと、一瞬の楽しさに安心して、本気を出すのがはずかしくて、何かを手に入れるのが恐くって、ここでずっと強いふりをしている。もうそんなものはつまらない。待っていることに飽きてしまった。私はここに立っている。ただ立っていることを感じ始める。私は自分の言葉で世界を知り始める。私は不器用なままで、バランスをとり始める。私は語りはじめる。新しい言葉で私を語り始める。
私の自画像のピントは合わずぼやけています。それが美しいのか、醜いのかを確かめてみたい。私は私を確かめてみたい。(高等部 A・Y)