春の学校・うりづん庭(なー)では、2日間にわたり生徒がつくる授業/まれ人講座/学習発表会/卒業を祝う会を行いました。ここでは、生徒がつくる授業の様子を紹介します。
「生徒がつくる授業」では、初・中・高等部の生徒が【先生】になり授業を行います。【生徒】は夜間中学校の生徒・保護者・卒業生・講師・一般参加の方などです。毎回、その授業のテーマ決めや準備はかなり難航します。今回は、「便利の中での選択」「毛と自分らしさ」という2つの授業(60分)を行いました。
授業その①「便利の中での選択」
この授業を考えた生徒たちは、AI(人工知能)を授業の柱に教材研究を重ねました。その中で出た5つの疑問を提示し、授業で話し合いたいテーマを会場にいる【生徒】の挙手で決定。そこで選ばれた「教師という仕事はなくなるか/なくならないか」というテーマでディベートを行いました。
会場を「なくなる派」と「なくならない派」に分け、それぞれのグループで論を立てて発表・反論を二回ずつ行います。ステージ上の審査員が両者の議論を聞き、勝敗を決定します。「AIによって忙しすぎる教師が救われるんじゃないか」、「生徒一人一人に合わせた対応は機械では無理」、「いや今でも一人ひとりに対応できていないだろう」など、教師の役割とは?学びとは何か?ということを階段を降りていくように考える時間になりました。
授業その②「毛と自分らしさ」
髪の毛の色を決める成分や動物の体毛のことなど毛にまつわる報告の後、会場を2つに分けて「脱毛について」と「毛と校則について」話し合いました。
一つのグループは、2万年前から人類は脱毛していた等、古今東西の脱毛の話から毛がないのが美しいという考えについて話し合いました。もう一つのグループは東京の高校で問題となった「地毛証明書」などを取り上げ、校則について参加者の体験や意見を交流しました。
「自分らしさは自分だけではつくれない」「他者との中でつくられる」という意見をはじめ、おもしろい議論になりました。
珊瑚舎では日ごろから「授業をつくろう・学校をつくろう」と呼びかけています。生徒が今回【先生】となって授業をつくろうと挑戦しました。準備はとても大変で、本人たちも課題が残った様子でした。それでも、多様な人が集まってともに授業をつくる楽しさを、体験することができたようでした。より素敵な「自分をつくろう」としている生徒たちにとって収穫の多い時間だったと思います。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。つぎの「生徒がつくる授業」にもぜひご期待ください。