平成30年4月15日
珊瑚舎スコーレ夜間中学校に対する支援事業継続を求める署名へのご協力をお願いします。
沖縄県は「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」(2011~2017年度)を打ち切りました。これは戦中戦後の混乱で学校に行けなかった人に対して、学習の機会を提供する支援事業でした。しかし、珊瑚舎スコーレ夜間中学校には2018年度も義務教育未修了者が在籍し、学びを必要としています。沖縄県に公立の夜間中学校はありません。珊瑚舎スコーレ夜間中学校は2004年の開校以来、義務教育未修了の方から授業料は頂かず、全国からの寄付やボランティア講師に頼って運営しています。支援打ち切りの報道を受けて、珊瑚舎スコーレ夜間中学校のスタッフ・生徒・講師は2018年3月12日に沖縄県議会に夜間中学校に対する支援事業継続についての陳情書を提出しました。以下陳情要旨です。
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陳情要旨
1.珊瑚舎スコーレ夜間中学校には平成30年3月現在学齢期を過ぎた義務教育未修了者が10名在籍し、平成30年4月からも8名が在籍を希望しています。珊瑚舎スコーレ夜間中学校への支援は戦後処理の一環として始められたものですが、学ぶ権利の保障及び教育機会確保法の精神からすれば義務教育未修了者に年齢等の枠を設けて支援をすることはあってはならないことです。珊瑚舎スコーレ夜間中学校で学ぶことを希望する生徒の学ぶ権利の保障と支援を要求します。
2.珊瑚舎スコーレは夜間中学校の運営や沖縄県における夜間中学校等の今後の施策について行政との協働を呼びかけてきましたが、その呼びかけに具体的に答えることなく珊瑚舎スコーレ夜間中学校への支援を打ち切ることは教育機会確保法の精神にそぐわないものです。平成30年度以降の珊瑚舎スコーレ夜間中学校に対する具体的な支援と施策を速やかに決定するよう要求します。
3.珊瑚舎スコーレ夜間中学校の生徒、ボランティア、スタッフが沖縄県議会文教厚生委員会において意見陳述する場を設けることを要求します。
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珊瑚舎スコーレ夜間中学校は憲法で定められている「学ぶ権利の保障」と「教育機会確保法」の具現化のため全国の皆様に署名活動のご協力を行うことにしました。どうぞ、よろしくお願い致します。
※『署名用紙』 はこちらです(←赤字をクリックしてください)
※お知り合いの方へはこちらをどうぞ(今回の経緯等が書かれたものです)→ 『全国の皆様へ 署名用紙』
※署名一次締め切り:2018年5月31日(木)
〈送付先〉〒900-0022 沖縄県那覇市樋川1-28-1 3階 NPO法人 珊瑚舎スコーレ
※インターネットでの署名も行っています(←赤字をクリックしてください)
※ネット署名と紙署名の二重署名にご注意ください。
<参考資料>
●<社説>夜間中学補助廃止 学び直しの場を守ろう(琉球新報 2018年3月7日)https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-677697.html
●沖縄タイムス2018年3月13日 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/222027
☆全国の皆様に
珊瑚舎スコーレ夜間中学校
珊瑚舎スコーレはフリースクールと自主夜間中学校を運営するNPO法人です。2001年4月に沖縄県の那覇市に高等部と専門部(休講中)を開設し、現在は初等部、中等部、高等部、夜間中学校(2004年4月から)の4課程があります。今回は主にフリースクールとしての夜間中学校の可能性について皆さんのご理解とご支援をお願いしたくメッセージを差上げています。
珊瑚舎スコーレ夜間中学校の卒業生は約90名です。いろいろな事情から途中でやめる方もいらっしゃいますが、みなさん、学ぶ喜びを実感していると感じています。因みに、卒業生の4割近くの方が高校に進学しています。このような学び場が作られているのは、開設以来多くの皆様のご協力とご支援の結果として実現した卒業証書の授与と国と沖縄県からの経済的支援があってのことだと思っています。
ところが、沖縄県教育委員会は珊瑚舎スコーレ夜間中学校に支援対象の義務教育未修了者の方が在籍しているにも関わらず、2018年度からその支援を打ち切ることを決めました。私たちはこの教育行政の後退を看過できません。2018年3月12日、沖縄県議会に陳情書を提出しました。多くの皆様のご理解とご協力の署名をお願いする次第です。
☆陳情までの経緯☆
珊瑚舎スコーレ夜間中学校は2004年に自主夜間中学校として開校しました。沖縄県は2008年度から珊瑚舎スコーレ夜間中学校の卒業生に対する卒業証書の授与、2011年度から「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」として補助金の支給を始めました。この事業は沖縄戦で就学の機会を奪われたと考えられる1932年~1941年生まれで義務教育を修了できなかった人を対象とした戦後処理としての支援です。これに対して珊瑚舎スコーレは年齢に関わりなく義務教育未修了者や学び直しを求める人たちの「学ぶ権利の保障」のため、つまり教育の問題としての支援を主張してきました。2015年12月に県は、2017年度をもって事業を修了するとの通知を出しました。県教委からは「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」終了後の夜間中学校の運営について珊瑚舎スコーレに対し何度か問合せがありました。珊瑚舎スコーレは在籍者がいること、入学希望者がいる限り続けると答えています。支援終了後の対応に関して沖縄のテレビ局が取材したところ、県は「何らかの形で支援できないか、次の支援策を検討している」「今後また相談を受けながら対応を考えていく」と回答(2015年5月/2017年3月)しています。
ところが、2018年3月の新聞報道で支援打ち切りを珊瑚舎スコーレは知ることになります。支援事業は一定の成果があった、今後は公立の夜間中学校の設置について検討したいと県教委は取材に答えています。新年度からも「戦中戦後の混乱期における義務教育未修了者支援事業」の対象者が5名在籍していることを知りながらの支援打ち切りです。教育行政の大幅な後退です。
2017年2月には「教育機会確保法」が施行しました。この法律では、地方公共団体は義務教育未修了者に対して就学の機会の提供やその他の必要な措置を行うことを義務づけています。しかし県からの具体的な働きかけがないまま、2018年3月3日付の新聞報道で県の支援事業の打ち切りが報じられました。「教育機会確保法」の精神に逆行する決定でもあります。これを受けて3月9日珊瑚舎スコーレ夜間中学校のスタッフ・講師・生徒を中心に緊急の話し合いを持ち、3月12日に支援事業継続の陳情書を県議会に提出しました。この陳情を審議した県議会文教厚生委員会は、4月26日に珊瑚舎スコーレ夜間中学校の関係者を参考人招致することを決定しています。
珊瑚舎スコーレ夜間中学校は憲法で定められている「学ぶ権利の保障」と「教育機会確保法」の具現化のため全国の皆様に署名活動のご協力を行うことにしました。どうぞ、よろしくお願い致します。